2013年に和食が無形文化遺産に登録されたことで、世界中で日本食への興味が高まり、ここ日本に住む私達にとってとても誇らしく思うものです。
なかでも大豆製品は、菜食主義の方や宗派によって制限されることも少ないので様々な場面で注目を集めています。あなたは、大豆が様々な製品へ変化していることを知っていますか?
枝豆、もやしであったり、醤油や味噌などの調味料になったり、毎朝食べているという人も多い納豆や、夏には冷ややっこは欠かせない豆腐になったり、ゆばも大豆から出来ていますね。
今日は、ヘルシーで美容にも良いとされている「ゆば」についてまとめたのでご紹介します。
湯葉と湯波の違いとは
ゆばの字は「湯葉」と「湯波」どちらの字が正しいのでしょうか?
分かりますか?
答えはどちらも正解です。
では、使い分けがあるのではと思いますよね。
その通りです。
ゆばは、豆乳を80℃以上で沸騰しない程度に加熱をします。
しばらくすると表面に皮膜ができます。
それをすくい上げ、乾燥をさせます。
すくい上げる際に、皮膜の下の真ん中に差し込み、
二つ折りにして二枚重ねにして引き上げるものが主に日光のゆばで「湯波」と表記しています。
また、端に棒を差し込み、一枚にして引き上げるものが京都のゆばで「湯葉」と表記しています。
湯葉
少し平べったくなった仕上がりが特徴です。
薄めで柔らかな触感となっています。
湯波
幾重にも巻き上げるため、丸くボリュームがあるので
触感や、風味も十分に味わうことができます。
ゆばの歴史とは
ゆばは、約1200年前に日本の天台宗の開祖である最澄が中国から仏教やお茶と共にゆばを持ち帰ったのが初めといわれています。
日本最初のゆばは、比叡山の天台宗総本山の延暦寺に伝わりました。
精進料理の食材のひとつとして伝わったため
現在も古くからの門前町が産地として有名となっています。
ゆばの栄養とは
ゆばは、畑のお肉と呼ばれる程の良質な植物性タンパク質が多く含まれています。
大豆の成分にはタンパク質だけでなく、大豆レシチン、大豆サポニン、イソフラボンなどの成分が多く含まれています。
タンパク質
大豆由来である湯葉は栄養価がとても高く、中でも良質な植物性タンパク質が豊富に含まれています。
精進料理では魚や肉の代わりに大豆を使用します。
湯葉の原料である大豆に含まれる植物性タンパク質は、肉や魚に含まれる動物性タンパク質とは異なった効果があります。
湯葉に含まれるタンパク質はコレステロールがゼロで、主成分であるベータコングリシニンが基礎代謝をアップさせてくれる効果があるとされています。
それは、内臓脂肪や中性脂肪を低減させる効果が期待されます。
ダイエットなど、お腹周りが気になる方は積極的に摂取すると良い栄養成分ですね。
大豆イソフラボン
ゆばの注目すべき成分は大豆イソフラボンです。
大豆イソフラボンの特徴は、女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをしてくれます。
- 女性らしい身体を作る
- 肌や髪をツヤツヤにする
- 自律神経を安定させる
- 骨を丈夫にする
- 脳の働きを活発にする
- 子宮に作用することで子宮内膜を増殖させ、厚くして「受精卵のベッド」を作る
エストロゲンは、女性にとり、とても必要な栄養ですが、
加齢に伴い減少して行くという研究結果が出ています。
しかし、大豆イソフラボンはエストロゲンの減少を補ってくれるために、更年期障害の予防や美肌効果などの様々な効果が期待できます。
女性には積極的に取り入れて欲しいですね。
大豆サポニン
ゆばには、注目の栄養素「サポニン」が豊富に含まれています。
サポニンは、植物の根、葉、茎などに含まれ、特にマメ科の植物に多く含まれているのです。
含まれる食材によって効果が異なります。
大豆に含まれるサポニンは、「大豆サポニン」と呼ばれ大豆特有の苦味やえぐみ成分で、大豆を煮るときに出る泡やあくの中に含まれています。
大豆サポニンの最大の特徴は、
強い抗酸化作用で、
過酸化脂質を抑える働きがあります。
過酸化脂質はコレステロールや中性脂肪といった脂質が、活性酸素によって酸化されたもので過酸化脂質が増えるとシミやシワ、たるみなどの肌トラブルや、動脈硬化やガンの原因のひとつとも言われています。
大豆サポニンには体内の脂質やコレステロールの酸化を抑え血液中の血栓を防ぐ効果があるとされています。
動脈硬化や生活習慣病の予防、また肝機能障害の改善などの効果があると言われています。
大豆レシチン
レシチンは油になじむ特性と水になじむ特性の両方を持っています。
油になじむ性質で、血管内のコレステロールを溶けやすくしてくれます。
油と水の両方になじむことから細胞の中の老廃物を
血液の中に溶かし込んで血行を良くする効果があります。
レシチンの効果
- コレステロール値を下げ、動脈硬化や胆石の予防になる
- 老化防止や脳の活性化を促す。
- 神経細胞を活性化し、自律神経失調症、神経衰弱などの回復
- シミやそばかすを予防する
- 高血圧、心臓病、肝臓病、糖尿病、貧血、腎臓病、不妊症などの予防や治療に有効
- 新陳代謝を促し、ダイエット効果、肥満や妊娠中毒症を防止する
日光の湯波おすすめをご紹介
松葉屋
日光の名水を使用して作るゆばは大豆の香りも生きた味わい深い逸品です。
私のおすすめは、たぐりゆばです。
引き揚げた生ゆばを小さくまるめてます。
口の中でペラントゥルンとした触感がやみつきになります。
太子食品日光工場
こちらでは、工場見学もでき、試食コーナーもあります。
予約をすると豆腐作り体験もできます。
おすすめしたいのは、生ゆばです。
この生ゆばを食べた瞬間驚きでゆばの概念が変わりますよ!
まとめ
- 日光では湯波、京都では湯葉と表記します。
- ゆばは、約1200年前に最澄が中国から仏教やお茶と共にゆばを持ち帰ったのが初めとされる。
- ゆばは、畑のお肉と呼ばれる程の良質な植物性タンパク質を多く含んでいます。
その他大豆レシチン、大豆サポニン、イソフラボンなど女性に嬉しい成分が多く含まれています。 - 日光湯波は日光名水を使用して作るため大豆のうまみとコクを感じられる逸品です。
ゆばは、保存がきくのでストックして一品足りない時に便利ですね。
生ゆばであれば中期頃の離乳食で取り入れられますし、
味がしみ込みやすいため、煮もの料理など様々なものに使用でき、時短料理可能な食材です。
栄養価が高く、美容や健康に良いのもぜひ取り入れたい食材ですね。
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