足利市の悪口(あくたい)祭り 基本情報 大晦日は悪口コンクールでお年玉をもらおう!

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大みそかの晩に『ばかやろう」と叫び、日ごろのうっぷんを晴らすお祭りがあるのをご存知ですか?
多くの人がストレスを抱えている時代ですから、そんな祭りがあればぜひ参加したいと思います。
今回は、そんな大声で悪口を言える『悪口(あくたい)祭り』についてご紹介します。

悪口(あくたい)祭りとは

栃木県足利市にある日本三大毘沙門天のひとつ、大岩毘沙門天(おおいわびしゃもんてん)大みそかの晩(12月31日)から元日の未明にかけて行われる祭りです。

江戸末期より始まった奇祭で、大晦日の夜11時に、大岩山毘沙門天のふもとにある登山道入り口を出発して、本堂までを修験者(しゅげんじゃ)の法螺貝(ほらがい)の音に先導され、「ばかやろう」などの悪口を言いながら登っていきます。

この祭りは、1年の厄を落として、溜まったうっぷんを晴らし新しい気持ちで新年を迎えるという行事です。

言ってはいけない悪口とは

どんな悪口を言っても許される悪口まつりですが、ある言葉が付く悪口は言ってはいけません。
それは、「びんぼう」「どろぼう」などの「ぼう」のつく悪口は言ってはならないとされています。

それ以外の悪口であれば何を言っても良いとされています。

悪口祭りの始まりとは?

暗がりの参道で行きかう人に『バカやろう』などと大声を掛け合いながら山頂にある本堂を目指します。

そんな悪口祭りの始まりは諸説あるそうです。
有力とされているものとしては、江戸時代の末期に疫病が流行して、悪夢を食べる架空の動物「獏(ばく)」を「ばくさま」と祈っていたそうで、それが「ばくやろう」、「ばかやろう」と訛っていったという説です。

他にも、飢饉などでその年の年貢を納められずに苦しんでいる農民に悪口(あくたい)をついても良いというお許しがあったという説があります。
しかしながら、その由来はどれも定かとなってはいません。

提灯行列とも

悪口(あくたい)祭では、山道を登っていく際に、暗い山道を提灯(ちょうちん)で照らして行列を作り歩いたということから、提灯行列とも呼ばれています。

現在では、登山道が整備されてはいますが、街灯はまばらにしか無いのです。
希望する方には提灯(ちょうちん)と毘沙門天のお面を授与しています。

提灯とお面:千円

ちょっとした記念になりますね。

大岩毘沙門天とは

足利七福神めぐりの一つで、栃木県立自然公園のハイキングコース内にあります。

その昔、行基という一人の僧がいました。
行基は、彼が創建した菅原寺に滞在していた時に、聖徳太子が作った、閻浮提(えんぶだい)の閻浮樹の下にあるという金塊で出来た毘沙門天像を常に持っていました。
そして、関東地方へ行き霊地を開いて、この毘沙門天像を安置して人々を救済したいと考えていました。

ある日の夢に老翁が出てきて
「関東の足利に霊山があり、その山に登れば、望みを叶えることができる。私は山王権現(さんのうごんげん)である。」
と告げられたそう。

夢から覚めると、行基は三度礼拝し、この願いが成就した時には、山王権現(さんのうごんげん)をその山の鎮守としようと、誓いました。
そのことが、現在も山王社がある由来ともなっています。

行基は、その夢を信じ、遠い、現在の足利の地に足を延ばし、一夏、この地で日々修法を続けました。
(現在の足利行基山徳正寺であったとされています。)

そして、ある夜の夢では武人が現れて
「ここより北にある大岩山という山に登れば、あなたの迷いや悩みが解決することでしょう。私はあなたが信じる多聞天王(毘沙門天)である。」
と言って、光を放ち消えていったと言います。

行基はまた夢から覚めると三度礼拝をしました。
そして、御守りの口が少し開いてわずかに光っていたのを見ると、ますます信じて告げられた通りに北にある山の頂にまで分け入ると、たちまち金色の光が強く輝いて、山の中が明るくはっきりと映し出されていました。
行基は喜んで、ずっと持っていた毘沙門天像を 大きな岩の上に安置して乾いたカヤでお堂を作りました。

行基は都に行き開山にあたり、めでたい品々を奉納すると聖武天皇はとても喜びました。
そして天平十七年には大僧正になり、大岩山多聞院最勝寺と山号寺号を頂きました。

翌年、勅願により、本堂・経堂・釈迦堂・三重塔・山門・開山堂・鐘楼堂・殿堂・十二坊を建立し、数カ所を寄付しました。
落雷による火災等で、多くのお堂が失われてしまい、現在は、本堂、山門、鐘楼堂、山王社が残っています。

毘沙門天のスギ(御神木)

大岩毘沙門天に行かれたら、巨大スギの御神木にも注目です。
現在足利市内では、最も大きいスギで、足利市重要文化財(天然記念物)にも指定されています。

樹齢は約600年と推定され、大きさ目通り7m、高さ29m、枝張り東西16m、南北33mの大木です。

枝はほどんどが下に曲がり、逆さスギのような形をしています。
落雷にあったようで、幹の南西面の一部が下から上まで縦に裂けた跡があります。

樹の勢いは今も盛んで葉の緑も若々しく、パワーをいただける御神木です。
正にパワースポットですね。

悪口大声コンクールとは

毎年、大晦日の晩に『悪口(あくたい)まつり』にあわせて、悪口大声コンクールを開催しています。

悪口大声コンクールでは、参加者の方々がお立ち台の上で思い思いの悪口を大声の限りを尽くし叫びます。
その声を騒音測定器で計測し、その声の大きさを競います。

優勝者には、何とお年玉『現金1万円』がもらえるコンクールとなっています。その他にも、10位以内に入ると賞品がもらえます。

参加は先着60人となっているので、参加の際には早めに行かれることをおすすめします。

受付日 大晦日(12月31日)
受付時間 午後10時より
受付場所 大岩山登山道入り口
(旧サンフィールド駐車場)
開始時間 午後10時30分~

滝流しの式

悪口(あくたい)まつりと同様、大晦日の晩には滝流しの式が行われます。
家内安全、商売繁盛など、諸願成就の大護摩の祈願を行い、その際に「滝流しの式」を行います。

直径30cmほどの朱い盃(さかずき)を両手にささげ、それを口に当てます。
そこへ住職がお神酒(おみき)をそそぎます。

初めは鼻の頭から酒をそそぎ、額、頭へと、だんだんと高くして休まずにそそいでいきます。
最後には頭のてっぺんから、額、鼻へと、滝のようにお神酒(おみき)が朱い盃(さかずき)に流れていきます。

ストップは、手を上げて合図をします
朱い盃(さかずき)のお酒を呑みほすことで、『金銀財宝、開運が滝のごとく流れ落ちてくる』として行われる儀式です。

時間 午前0時~、午前6時~、午前10時~
祈願料 1,000円

基本情報

開催日 大晦日12月31日
開催時間
  • 悪口祭・提灯行列
    午後11時~
  • 大声コンクール
    午後10時より受付
受付・出発場所 大岩山登山道入り口
アクセス 北関東自動車道足利ICから約20分
東北自動車道佐野藤岡ICから約50分
お問合せ 大岩毘沙門天(最勝寺)
TEL:0284-21-8885
〒326-0841 栃木県足利市大岩町264

まとめ

  • 悪口(あくたい)祭りとは栃木県足利市にある大岩毘沙門天(おおいわびしゃもんてん)大晦日の晩に行われる祭りです。
  • 登山道入り口から本堂までを法螺貝(ほらがい)の音に先導され、「ばかやろう」などの悪口を言いながら登ります。
  • 1年の厄を落として、溜まったうっぷんを晴らし新しい気持ちで新年を迎えるという行事です。
  • その起源は、江戸時代の末期に疫病が流行して、悪夢を食べる架空の動物「獏(ばく)」を「ばくさま」と祈り、それが「ばくやろう」、「ばかやろう」と訛っていったという説が有力とされています。
  • 暗い山道を提灯(ちょうちん)で照らして行列を作り歩いたということから、提灯行列とも呼ばれています。
  • 希望する方には提灯(ちょうちん)と毘沙門天のお面を千円にて授与しています。
  • 大岩毘沙門天は、行基という一人の僧が見た夢のお告げにより建立されました。
  • 足利市重要文化財(天然記念物)にも指定される御神木もちょっとしたパワースポットになっています。
  • 悪口大声コンクールでは、優勝者には『現金1万円』が授与されます。
  • 口(あくたい)まつりと同様、大晦日の晩には滝流しの式が行われます。朱い盃(さかずき)のお酒を呑みほすことで、『金銀財宝、開運が滝のごとく流れ落ちてくる』として行われる儀式です。

いかがでしたか。
今回は、栃木県足利市で大晦日の晩に行われる奇祭「悪口(あくたい)まつり」についてご紹介しました。
悪口コンクールでは、優勝者にはお年玉がいただけるなんてぜひ参加したいものですよね。

あなたもぜひぜひ参加してみてくださいね。
ただ、雪国程ではないものの山ですのでしっかりと防寒対策をしていきましょうね。

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